乾汽船に対し、政策保有株式の売却および第三者割当増資時における決議方法変更を含む4議案の株主提案を提出しました

2020年4月16日 更新


 2020年6月開催予定の乾汽船株式会社(以下「乾汽船」)の定時株主総会について、①取締役報酬のクローバック条項の採用、②監査役3名の解任、③政策保有株式の売却に係る定款変更の件、④第三者割当増資に係る定款変更の件の4つの議案を株主提案しました。

 当社は、2020年4月15日付で乾汽船に対し、2020年6月開催予定の乾汽船株式会社定時株主総会において、下記4つの事項を会議の目的とすることを会社法第303条に基づき請求しました。

 

株主提案(1)

定款の一部変更の件(クローバック条項の採用について)

1. 議案の要領

現行定款(平成30年6月22日最終改正)の第30条につき第2項として以下の条項を追加し、第31条につき但書を追加する。

 

第30条(報酬等)

②固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬を含む全ての報酬において、投資の不成功による減損損失が発生した場合、不正会計等により過年度決算の修正が起きた場合または当会社全体、部門、部署ごとの目標達成度合の評価が誤った情報を反映した場合など、報酬額算定の基礎となる業績指標の虚偽や誤りがある場合には、正しい指標等に基づいて報酬額を再算定し、差額の報酬を当会社に返還させ、または報酬の額を減額しもしくは不支給とするものとし、その内容の詳細については内規にて規定し、各取締役と当会社間の委任契約書へ記載するものとする。

 

第31条(取締役との責任限定契約)

ただし、第30条第2項による報酬の返還または報酬の額の減額(もしくは不支給)はこの限りでない。

 

2. 提案理由の概要

この規定は、経営陣が事業運営に関して意思決定を行う際に、そのリスクを包括的に把握する為に必要である。日本企業の場合、従来、上記30条2項案に記載したような事象が判明した場合に将来の報酬を自主的に放棄することはあっても、過去に支払った報酬を返還する事例は少なく、その判断は取締役に委ねられている。高い倫理観がある経営者であればよいが、そうでない経営者は自主的な返還を行わない。株主への配当を大幅に減額する一方で、取締役報酬は大幅に増加されるなど、乾汽船の報酬委員会は運営が不透明であり、機能しているとは言い難い。また、現常勤取締役就任後、2016年3月期に約140億円の巨額の減損損失の計上、そして2019年3月期には僅か1年で繰延税金資産を取り崩して経常赤字に転落した。にもかかわらず、常勤取締役報酬額は前年比36百万円も増加している。業績に見合った報酬額とするために、定款へ明確に規定する必要がある。

 

株主提案(2)

監査役3名の解任

1. 議案の要領

監査役加島昭久氏、監査役田中正人氏及び監査役山田治彦氏の3名を解任する。

 

2. 提案理由の概要

当社は、昨年9月6日付で「対象会社株式の大規模買付行為等への対応策(買収防衛策)廃止の件」(5号議案)を含む5つの事項を目的事項とする株主総会招集請求を行った。これに対し乾康之社長は昨年10月6日(日曜日)の取締役会(書面決議)の提案書にて、5号議案は議案の適法性に疑義があると解し臨時株主総会の議案として取り扱わないことを提案し、回答期限を10月7日(月曜日)の正午とした。検討時間が数時間しかないのに、監査役3名全員は異議がないとの書面を取締役会に提出した。しかし、買収防衛策は株主総会決議で廃止できることが昨年6月定時総会招集通知及び有価証券報告書に明記されている。監査役3名は当然そのことを知っていたにもかかわらず、無条件に異議を述べなかった。監査役3名は責務を果たさず、単に、社長の行為の追認機関として存在しているだけであり、ガバナンス改善及び株主共同の利益を守るため解任する必要がある。

 

株主提案(3)

政策保有株式の売却に係る定款変更の件

1. 議案の要領

現行定款(平成30年6月22日最終改正)に以下の章及び条文を新設する。

第9章 政策保有株式の売却

第52条(政策保有株式の売却)

当会社の第100期に係る定時株主総会の終結時点で当会社が貸借対照表に計上している政策保有株式(有価証券報告書記載の特定投資株式)の全てを、第101期中に速やかに売却するものとする。

 

2. 提案理由の概要

乾汽船の第99期有価証券報告書によれば、貸借対照表計上額で約22億円の政策保有株式(18社)を保有している。保有目的は「取引・協力関係の維持・強化」とされているが、乾汽船は、保有が企業価値を向上することについての定量的な説明をしていない。更に、コロナウイルスの影響で保有先の業績が不透明な状況下では減損の可能性が高い。実際に、2020年3月期通期業績予想は有価証券の減損により下方修正している。その損失は株主が負担することになる。また、昨年6月開催の定時株主総会においては、政策保有株式18社の内、15社が乾汽船に代理人氏名が空欄の白紙委任状を提出しており、その議決権割合は約20%になる。政策保有株式の実態は、経営陣が自らの意向に応じて議決権を行使する為の「疑似自己株」であり、経営者の利益を守る為のものになっている。株主共同の利益を守り企業価値を向上する為には政策保有株式は売却されるべきである。

 

株主提案(4)

第三者割当増資に係る定款変更の件

1. 議案の要領

現行定款(平成30年6月22日最終改正)に以下の章及び条文を新設する。

第10章 第三者割当増資における株主意思の反映

第53条(決議の方法)

取締役会は、第三者割当増資を行おうとする場合は、割り当てられる募集株式にかかる議決権の比率(希釈化率)が25%以上となるか否か、または支配株主が異動することとなるか否かに関わらず、事前に株主総会の普通決議を経なければならない。

尚、上記議題案(3)の「政策保有株式の売却に係る定款変更の件」が可決されなかった場合、第9章及び第52条は欠番とした上で、本議案の提案を維持する。

 

2. 提案理由の概要

第三者割当増資の場面においても株主総会の普通決議を必要とすべきである。東京証券取引所の有価証券上場規程「企業行動規範」において、公開会社が第三者割当増資により割り当てられる募集株式にかかる議決権の比率が、25%以上となるとき、または支配株主が異動することとなるときは、経営陣から一定程度独立した者による第三者割当の必要性及び相当性に関する意見の入手をすれば、取締役会の決議により第三者割当増資が可能となる。しかしながら、現在の乾汽船の社外取締役及び社外監査役は、乾康之社長の意見の追認機関になってしまっており、「経営陣から一定程度独立した者」としての責務を果たしていない。よって、株主総会決議がなければ第三者割当増資をすることができないとすることが上記の東証の規程の趣旨に沿うものである。

 

以上

 

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